目標管理研修
PROGRAM
研修の狙い・目的
目標設定指導と評価を適正に行う力量を磨く!
一人ひとりの個別状況・課題を踏まえた半期・1年間などの期間目標を設定。上司(一次評価者)と擦り合わせを行い、合意した内容を期間内において推進。その達成度合に応じて人事評価を行う「目標管理(目標設定評価)」制度。
個別事情を踏まえた評価であり、かつ経営方針の推進と人事評価がリンクしやすく、人材育成・組織課題解決に有効な制度といえます。
ただ、思想としては良いものであるものの、運用がうまくいっていないケースが散見されます。
具体的には、
- 本人の課題・状況に応じた適切な目標設定(項目・達成水準など)がなされていない。
- 同職種同等級の社員間で、目標の難易度にバラつきが生じ、不公平感を生んでいる。
- 目標の達成度評価において、評価者と被評価者の解釈が変わり、不満が起きている。
こうした事態が生じて狙い通りの運用ができていないケースが散見されます。
本研修では評価者に対して、目標設定指導及び達成度評価を行う際のポイント・留意点を伝授すると共に、実際の被評価者(部下)の目標を用いて、実践的な気付きと評価者間の目標設定・評価における共通認識を醸成します。
研修概要
目標管理(目標設定評価)の目的~被評価者(部下)が評価者に抱く不満要素の確認
組織全体、被評価者、そして上司である評価者の三者の視点から、目標管理(目標設定評価)の目的・効用を確認いただきます。
また、弊社が被評価者(部下)からヒアリング・アンケートなどで聴取した、目標管理において評価者に抱く代表的な不満要素を紹介し、不満を生じさせないための留意点を併せて確認願います。
「目標設定」指導ポイント検討
目標管理制度においては、基本的に評価者(上司)が責任範囲(課・チームなど)の今後の課題、所属メンバーへの期待事項を会議などでまず伝達します。
その後、被評価者(部下)が半期・1年の自身が注力すべきテーマをピックアップして、期間内で、具体的に何を、どの水準まで引き上げるか?目標設定を行います。
そして、評価者(上司)と面談を行い、自身が目標設定した内容の詳細や背景・理由を説明して承認を得る、もしくは修正指導を受けます。
研修においては、評価者が修正指導を行うにあたり押さえておくべきポイントを以下の流れで伝授します。
①「目標の種類」確認
No | 目標種類 | キーワード (末尾ワード) |
目標項目観点 |
---|---|---|---|
1 | 強化型目標 (好ましい事を、より良く) |
・強化 ・向上 ・伸展 ・促進 ・増加 など |
・売上・利益向上 ・コスト低減 ・品質向上 ・時間短縮 ・安全性向上 ・生産性向上 ・人的スキル強化 ・顧客満足 など |
2 | 改善型目標 (好ましくない事を、望ましく) |
・改善 ・防止 ・削減 ・撲滅 ・効率化 など |
※上記項目が適用される場合も多い ・クレーム発生件数削減 ・ミス発生防止 ・過剰在庫圧縮 ・不良率改善 ・残業時間の低減 ・開発・生産リードタイム短縮 ・延滞債権の削減など |
3 | 定着型目標 (好ましい事を、維持する) |
・定着 ・維持 ・継続 ・浸透 ・遵守 など |
・規定・ルールの遵守 ・無事故・トラブル継続 ・労働災害 ・2S&3定 ・標準作業の定着 ・ノーミスの継続 ・顧客・協力会社との関係維持 など |
4 | 新規型目標 (好ましい事を、生み出す) |
・開発 ・開拓 ・創出 ・構築 ・新規作成 など |
・商品開発 ・顧客開拓 ・サービス開発 ・新手法開発 ・新制度・システムの構築 ・新規ツール作成 ・新情報ルートの開拓 など |
②「目標GOOD・BAD事例」の検討
目標テーマにおいて、幾つかの観点(EX:手段の目標化)でBAD事例を提示。
この事例の何が問題で、実際に自身の部下が同様の目標内容を示してきた場合、どのように改善指導を行うかを検討いただきます。
その後、一つひとつの悪い事例について、事例の何が問題で、どのように修正するのが良いのか?
GOOD事例を確認します。
③効果的に目標設定指導を行うために
被評価者(部下)が提示してきた目標を的確な内容に修正するための「12の視点」を解説します。
また、半期・1年後の評価段階で被評価者と齟齬が生じないように、目標が達成できた時の状態の具体的な擦り合わせを行うことの重要性を確認します。
「自己目標」ブラッシュアップ
2ndステップで確認・検討した有効な目標設定内容を、まずは自分自身が過去に設定した目標に適用してブラッシュアップを図ります。
個人でブラッシュアップを行った後は、グループを形成して一人ずつ順番に他メンバーからアドバイス・コーチングを受けます。
- ① 目標提示者が以下提示
1)過去目標の伝達・解説
2)ブラッシュアップした目標内容の提示
3)修正箇所の詳細~背景・理由説明 - ② 他メンバーとの質疑応答
- ③ より有効度を高めるためのアドバイジング&コーチング
部下目標内容の妥当性検討
複数の部下の過去目標、もしくは正式承認・合意される前の部下が提示してきた目標について、まず個人で妥当性を検討します。
その後、3rdステップを共にしたメンバーと部下の目標について以下の流れ・観点で対話します。
※この際、可能な限り、部下の等級をグループメンバー間で合わせて実施することが望ましい。
目標設定面談のポイント解説
目標設定面談(提示された目標について被評価者と対話~ブラッシュアップを行い、合意を得る面談)における留意点を3つの観点で解説します。
- ① 目標設定面談フロー(実施手順)
目標設定面談の導入(アイスブレイク)からクロージング(結論確認)に至るまでの一連の流れと時々の留意点を確認します。 - ② 目標内容の適正化
4thまでに確認・検討してきた的確な目標設定を行うためのポイントを伝えながら、部下との対話を有効に進めるためのポイントを解説します。 - ③ 目標達成のための対話内容
目標内容の適正化を図り、被評価者との合意も取れた後に、面談後半において目標達成度を高めさせるために検討・伝達すべきことを伝授します。
「目標管理研修」導入事例
企業・受講対象者プロフィール
- 業種電子部品製造業
- 社員数2,300名
- 受講対象者一次評価者 約200名
- 実施形式15~25名程度1チーム 11チーム リアル開催
課題・受講者状況
- 目標管理(目標設定評価)制度を導入したものの、社員の目標設定の精度が低い状況が続いていた。具体的には目標の抽象度が高いケースが数多く見受けられた。
- 結果、評価を行う際、評価者と被評価者間の達成度の解釈に齟齬が生じ、人事評価全般の納得度を落とすということに至っていた。
- また、同職種同等級の社員において、目標の難易度に大きな差があるケースが散見され、不公平な状態が生じていた。
- 部署方針と個人目標の整合性が感じられない部署も多く見受けられ、経営方針の推進ツールとして導入されたものの機能していない実態が浮き彫りにもなっていた。
- こうした点を労働組合が問題視して経営側に是正勧告がなされることとなった。
- この結果を受け、人事部門が中心となって目標設定ガイドブックを作成・配布したり、制度面のテコ入れを行ってきたものの目立った成果を上げられずにいた。
- 当時は、事業拡大期と重なっていたこともあり、新任の管理職(評価者)が増加していた。結果、より目標管理制度の運用レベルが全般的に年々落ちていくという事態となり、抜本的な対策を講じる必要性が議論されていた。
プログラム導入概要
以下の手順・概要で「目標管理研修」を実施
ステップ | プログラム導入・実施手順 |
---|---|
1st | 目標設定シートの確認
職種・等級・拠点別などの観点で無作為に過去の目標設定シートをピックアップ願い、弊社にて傾向分析を実施。 |
2nd | 評価者に対するヒアリング実施
目標設定指導をどのように行っているのか?のヒアリングを中心に職種・拠点別に20名程度の評価者との面談を実施。 |
3rd | 研修プログラム設計 上記1st 2ndの内容を受け、人事部門と研修プログラム及び研修後のフォロー内容について打ち合わせを実施。 |
4th | 「目標管理研修」開催 目標設定面談が実施される3カ月前から研修を順次実施。計11チームの開催(製造部門は拠点別、残りの部門は基本的に部門別に実施)となったため2カ月半に亘り研修を実施することとなる。 【プログラム概要】 ①オリエンテーション
②人事評価制度全般における確認(変更点中心) ※人事部門実施 ③目標管理(目標設定評価)における課題伝達
④有効な目標設定とは
⑤自己目標のブラッシュアップ
⑥部下目標のブラッシュアップ
⑦目標設定面談を効果的に行うために
⑧クロージング
|
5th | 目標設定面談の実施
研修の約1~3カ月後に各自評価実施。 |
6th | 精度の高い目標項目の共有化
本人の了承を得て(個人が特定されないように加工すべき点は実施)、精度の高い目標を一覧にして配布。 |
7th | 重点指導対象の選定
責任範囲の部下の目標設定精度に問題がある評価者をピップアップ。 |
プログラム導入効果
- ビフォー・アフターで目標設定内容を比較評価実施。
8割~9割の評価者に改善・進化が見られた(元々、目標精度の高い評価者も含む)。 - 特に、評価できる点としては達成基準の数値化が増加。また、定性的な基準でも具体性が向上していた。
また、複数の二次評価者から部署課題と個人目標の連動度が高まり、本来の導入目的を押さえた指導ができつつある旨のフィードバックを受ける。 - 労働組合のメンバーも研修に参画をしており、人事部門の意図していたことは理解が促進された。
かつ、被評価者からのヒアリング結果のフィードバックを受け、面談内容を含めて改善がなされているという報告を受けた。 - 5段階評価で言えば3点の標準点の達成基準だけでなく、4点の優良点の達成基準「何を、どのぐらいまで行えば良いのか?」を指導した評価者の部署は、顕著に評価が向上した。
- 精度の高い目標例(目標設定事例集)を全体に提示した点、問題がある評価者に個別指導をしたこともあり、次年度の目標精度も順調に向上した。
よくあるご質問 Q&A
何を、どの程度まで解決していきたいか? 目的・ご要望によって時間は変わりますが、弊社の基本テーマ「有効な目標設定とは」「自己目標のブラッシュアップ」「部下目標のブラッシュアップ」「目標設定面談を効果的に行うために」を盛り込んだ研修を行う場合、多くのケースが1日(6時間~7時間)研修となります。
尚、時間制約がおありの場合は、上記のテーマを絞る、もしくはそれぞれの内容を簡易な形式で行い、可能な限りご要望に沿った時間での研修提供を行うこととなります。
※研修内容と時間の整合性が取れず、ご支援を辞退させていただくこともあります。
一つの判断基準が、グループワーク(①自己目標ブラッシュアップ、②部下目標ブラッシュアップ)における研修講師の支援度となります。
講師がグループワーク中に、各グループをまわりアドバイス・対話推進を図ることを前提にすれば、1研修あたり20名まで(4~5グループ)が限界です。
また、研修は人数が増えれば増えるほどプログラムの進行が遅れます。
単なる座学(講師からの一方通行の伝達)だけの研修なら別ですが、さまざまな個人作業が研修では行われます。理由はこの点にあります。
どうしても研修は、一つのテーマの個人作業を全員が一定レベル完成してから次のプログラムに移ります。よって、最も遅い方が作成しなければ次のプログラムに入れません。
この点、人数が多くなればなるほど、作業スピードの遅い方がおられる可能性が増し、プログラム進行に時間を要します。
さらに言えば、個人作業・グループワークを行うにあたり、人数が増えれば増えるほど進行に関する質問が増えることで時間が取られていきます。
こうした点から20名程度が妥当な人数と考えています。
可能です。但し、当然デメリットもあります。
まず、リアルとは違いオンラインでの開催は受講者の立場で考えれば、丸1日かけて実施するのは集中力持続の観点で厳しいものがあります。
リアルであれば1日で行える内容を、2分割して半日2回に分けるなどの対応が求められます。
さらに言えば、オンラインは個人自由度が高い(EX:他の作業をしながらでも受講可能)ため、結果的に研修における気付きが浅くなります。
プログラム進行においてもオンラインは時間がかかります。リアルよりも、個人作業・グループワークの説明をより丁寧に、より細かくしなければ伝わりません。(質疑応答含む)
この点で、同じプログラムを実施しようとしても、リアルと比較して時間がどうしても時間を要します。
グループワークは、オンライン上の小部屋(Zoomならばブレイクアウト・ルーム)が各グループに割り当てられて行われます。
リアル研修であれば、一部屋で基本実施していますので講師が全グループ(全員)の様子を見て、おかしい状況があればいつでも介入できます。
しかし、オンラインは一つの部屋にしか講師はいけませんので、グループワークの進め方において問題が生じていても気付かず対応できないケースが出てきます。
こうした点を許容する、もしくは対応策を検討して研修に臨むことが求められます。
もちろん可能です。
導入事例で記しておりました以下の内容については、評価者・被評価者を問わず行えます。
※全く同じ内容ではできません。被評価者向けには内容のアレンジが多少必要になります。※時間はかなり短縮はできます。
■有効な目標設定とは
- グループワーク「有効な目標とは、何が満たされているのか?」
- 4つの目標種類「強化型」「改善型」「定着型」「新規型」
- グループワーク「目標GOOD・BAD事例」
- 効果的な目標設定指導を行うための12の視点
■自己目標のブラッシュアップ
- 自身の過去目標を④の内容を踏まえて再検討
- グループワーク「相互セルフ目標ブラッシュアップ」
本サイトでご紹介している「被評価者研修」の中に上記の点を盛り込んで実施するケースもあります。
先の導入事例で記載している以下内容、
■目標設定面談を効果的に行うために
- 目標設定面談フロー
- 目標内容の適正化
- 目標達成のための対話内容
はまず実施します。
この点を押さえた後、いわゆるロールプレイング(模擬面談)方式を用いた研修を行うことが多くあります。
具体的には、3人1組となり、交互に以下の役割を担います。
①本人役 ②被評価者(部下)役 ③観察役
そして、仲間に部下の状況・個性傾向、そして部下の過去目標(研修のために事前提示を依頼した合意前目標)をそれぞれ伝達~質疑応答を行い共有します。
その後、10分~20分程度の時間、仲間に部下を演じてもらい上記の「目標設定面談を効果的に行うために」内容を踏まえて面談指導を進めていきます。
その間、観察役の方は、本人役の方の評価できる点・改善を要する点を記録しながら客観的評価を行います。
10~20分程度のロールプレイング終了後、以下のレビュー(振り返りミーティング)を行います。
- 観察役から上記の評価できる点・改善を要する点をフィードバック
- 部下役から面談を体感しての感想をフィードバック
- 自分自身がロールプレイングを実施してみての気付き伝達
- 3者で本人役の方の面談レベルを向上させていくための方策を検討
これを、各自が3つの役割を交互に行い3セット実施します。
こうしたロールプレイングを用いた内容を含めるのが効果的であると考えています。
一つは、職種別・部門別に優良な目標をピックアップして目標事例集として全員に配布することがあります。
※目標設定した本人の了承は要。
また、人事部門もしくは評価者が中心となって架空のものですがサンプルを作成して、同様に事例集として配布なされるケースもあります。
切り口を変えると、部門もしくは同職種のメンバーで4~5人1チームの小グループを編成。
目標設定面談前にミーティングを行い、互いの部下目標をブラッシュアップするのに、どのような指導を行えば良いか?アドバイス交換を行うというのも一つの方法です。
主要な要素は3つあります。
弊社は人事制度の策定コンサルティングを1000社以上のお客様に対して行っています。
この点から、目標管理において、さまざまな経験を有しています。
次に講師が自社所属にある点です。営業活動や研修企画は自社で実施するものの、講師はフリーランスの外部講師に委託するケースが多くあります。
弊社では、自社所属の人事制度策定経験者が講師を務めます。
最後はカスタムメード対応にあります。規格の決まった研修を提供するのではなく、人事評価の知見を有した講師が、ご要望や貴社状況をヒアリングして最適な研修提案を行います。
研修実施までの流れ
-
1st問い合わせフォームより弊社へご連絡
-
2nd弊社担当者より面談依頼のご連絡
-
3rd①課題認識・研修に関するご要望ヒアリング
※可能であれば、人事評価制度に関する資料を拝見させていただきます。
(必要に応じて、守秘義務契約をこの時点で締結することも可能です)
②研修実施の方向性提示 -
4th研修企画書作成(弊社作業)
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5th企画書説明~質疑応答~ブラッシュアップ対話
※必要に応じて修正企画書を作成~ご提示
その他の評価者研修
「基本ラインナップ」
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評価者基本研修
- 評価者として部下から信頼を獲得するために
- 評価エラー傾向分析~適正評価対策
- 評価者間の評価基準のすり合わせ(甘辛防止) など
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評価フィードバック面談研修
- フィードバック(1on1形式)面談の目的と進行手順
- フィードバック面談におけるコーチング活用
- フィードバック面談ロールプレイング など
-
部下育成型評価者研修
- 一次評価者の人事評価における主要目的は部下育成
- 評価結果(現在)と将来軸を基にした育成目標検討
- 4つの指導基本アプローチ(叱る・認める・考えさせる・任せる) など
-
被評価者研修
- 人事評価を受ける意味
- 評価項目と評価基準の理解を深める
- 各種人事面談(目標設定・フィードバック・中間など)を価値あるものとするために など
お問い合わせ
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なお、出来る限り早急に折り返しご連絡差し上げるように努めておりますが、内容によってはご連絡差し上げるまでに数営業日いただく場合がございますので、あらかじめご了承ください。