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評価者基本研修

PROGRAM

研修の狙い・目的

公正かつ納得を引き出す「評価スキル」を身に付けさせる!

評価者研修イメージ

人事評価は両刃の剣の側面があります。

評価者が被評価者(部下)の状況をよく観察し、把握したなかで、評価基準に基づいた適正評価を行えば、組織に対する信頼は高まり職務遂行に対するモチベーションは向上します。

しかしながら、評価者の姿勢・力量の問題で、被評価者に不信感・不公平感を与える状況が生まれると、制度としていくら素晴らしい評価制度であったとしても、組織に対するエンゲージメントは低下し、最悪、離職を招く事態となります。

表現を変えると、評価制度も生かすも殺すも評価者次第といえます。

本研修では、結果のいかんに関わらず、被評価者から納得を得て、かつ公正な評価を行うために心掛け、実践すべきことを学んでいただきます。

研修概要

1st

人事評価の目的~被評価者(部下)が評価者に抱く不満要素の確認

人事評価の6つの目的を伝達し、その目的を果たすための必要要素を確認いただきます。

また、弊社が被評価者(部下)からヒアリング・アンケートなどで聴取した、評価者に抱く代表的な不満要素を紹介し、不満を生じさせないための留意点を併せて確認願います。

2nd

評価エラー傾向の確認~自己分析

以下の7つの評価者が陥りやすい評価エラー傾向を解説した後、自身の評価を振り返り、当てはまるエラー傾向を選択し、なぜ、そのようなエラーに陥るのか?を検討いただきます。

評価エラー
No エラー傾向 エラー解説 自己分析
ハロー効果 何か一つ秀でていること(劣っていること)があることによって、その人の印象が左右されてしまうことを指します。
例えば、経営学を修めた人物に授与されるMBA資格を取得している部下に対して、全体的に評価が良くなってしまうような現象を指します。
 
寛大(厳格)化
傾向
特定の評価項目もしくは全体的に実際より甘く評価を行ってしまうエラーです。
部下からの反発を恐れていたり、部下に上司として評価されたいという気持ちが強かったりする場合に起きやすいエラーです。
※同様に、実際より厳しい評価を行う傾向にあることを「厳格化傾向」といいます。
 
中心化傾向 例えば5段階の評価基準を採用している場合、評価が3点に集中してしまう現象を指します。
部下との関係性が良くないため無難な評価をつけたい。もしくは、部下の情報があまり無いために高い評価も低い評価もつけられない。このような事が原因として考えられます。
 
対比誤差 評価者自身を基準にして、被評価者の評価を行うことを指します。
具体的には、自分の専門・得意分野においては評価が厳しくなる一方で、専門外・苦手分野に関しては評価が甘くなる傾向です。
 
論理誤差 論理的ではない根拠を基に評価を下してしまうエラーを指します。
中途で入社してきた部下に対して、「大手有名企業の××職の経験があるので〇〇スキルは高いだろう」といった評価をしたり、「人事評価項目の■項目が高いので、△項目も高いだろう」という判断をすることを指します。
事実を確認せずに固定観念・思い込みで評価することで生じます。
 
期末誤差 半年間、1年間などの期間全体の振る舞いをトータルで評価する制度にも関わらず、評価実施直前の言動を基に評価を下してしまうエラー傾向を指します。
このエラー傾向を被評価者(部下)が認識した場合、評価直前に言動を変えて印象操作を図ることも起こり得ます。
 
逆算化傾向 複数の部下がいる場合、現時点で評価者が認識している序列になるよう評価点数を調整する傾向です。
部下のなかで最優秀と思っている人物は点数を総じて高くつけていき、最も力量が低いと思う人物は厳しい点数をつけていくことを指します。
 
評価エラー傾向
3rd

「適正評価」対策の検討

2ndステップで分析を行った評価エラー傾向のなかで、自己評価の低い(エラーが生じている・生じやすい)エラー傾向を選択します。

自身で過去の評価を振り返りながら検討したエラーの原因を踏まえて、「エラー対策観点・サンプル」を基にまずは自身で対策を検討します。

その後、グループを組んで、一人ずつ自身のエラー傾向の強い項目、原因、対策を発表。
他メンバーからアドバイジング・コーチングを受けながら、エラーを防ぐために施策を再検討します。

4th

評価基準の擦り合わせ(甘辛防止対策)

複数の評価者がいる場合、人事評価において必ず出てくる問題が評価者による評価のバラつき・甘辛です。

本フェーズでは、右のような実際の評価シートを用いて実際にいる人物たちの評価を行い、評価者間の評価のバラつき・甘辛是正を図ります。

具体的には、以下の手順でグループを組み評価者間の評価の擦り合わせを行い、評価尺度・目標レベルの統一を図ります。

  • ① 仮評価人材のピックアップ
  • ② 各自、仮評価実施
  • ③ 評価者間で相違度の高い評価項目をピックアップ
  • ④ 評価基準検討ミーティング実施
人事評価シート
5th

被評価者からの納得度を高めるためのポイント検討

1stステップで確認した、被評価者が抱く評価者に対する不満要素を改めて確認願います。

その後、それぞれの不満要素に対する「対策例」を提示。自身のこれまでの評価に関連する振る舞いを振り返りながら、個別かつ具体的に改善策を検討いただきます。

ご相談は無料ですので、
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「評価者基本研修」導入事例

課題評価者間の甘辛が激しく社員から不満が噴出
評価基準の擦り合わせと適正評価が進み不満解消!

企業・受講対象者プロフィール

  • 業種化成品製造業
  • 社員数350名
  • 受講対象者一次・二次評価者 約60名
  • 実施形式20名程度1チーム 3チーム リアル開催

課題・受講者状況

  • 社内で定期的に実施している、社員のエンゲージメント・モチベーション状態を測定するサーベイ結果において、人事制度に関する項目が年々低下する傾向にあった。
  • なかでも人事評価に関する項目評価が低く、定性的な回答において、被評価者の評価結果に対する納得度が総じて低い状況であった。
  • 具体的には、評価者のハロー効果、期末誤差、中心化傾向などのエラー傾向に関する不満と評価者による甘辛の指摘が多く寄せられていた。
  • 例えば、前回の人事評価で5段階評価の4点を得られていた評価項目が、自部署に新たに赴任した上司が評価を行った今回においては2点という評価であった。
    自己客観視して考えても評価項目の推進内容は以前と変わらない。上司によって評価のモノサシが違うとしか思えない。
    こうした指摘が、最も所帯の大きい製造部門を中心に数多くなされていた。
  • 上記の甘辛については、サーベイ結果からだけでなく組合からも問題提起がなされている。
  • こうした背景には、近年、役職定年を迎える管理者が多く、新しい管理者(評価者)が増加していたにも関わらず、業務が多忙な状況であったため評価者教育に時間が割けなかったことが起因している。

プログラム導入概要

以下の手順・概要で「評価者基本研修」を実施

ステップ プログラム導入・実施手順
1st 人事評価制度の理解

人事評価制度に関する資料を確認。制度設計に携わった人事部門のご担当者に確認事項を聴取。

2nd サーベイ・組合からの問題指摘の確認

指摘されているエラー傾向の強い箇所、甘辛が指摘されている箇所の説明を受け、改善の方向を打ち合わせ。

3rd 研修プログラム設計

上記1st 2ndの内容を受け、個別研修プログラムを検討。
人事評価の目的、評価者としての心構え(行動)、エラー傾向分析~対策検討、評価者間の評価基準擦り合わせ(甘辛防止策)で1日プログラムを作成。
併せて、評価フィードバック面談に関するプログラムの要望もあり、計2日間のプログラム作成となる。

4th 「評価者基本研修」開催

人事評価が行われる2カ月前に、1回目のエラー傾向分析~対策検討、評価基準の擦り合わせなどを行う「評価者基本研修」を1チーム20名で実施。
合計3チームを別日程にて実施。※時間9:00~17:00

【プログラム概要】

①オリエンテーション

  • 上位者挨拶
  • 研修の目的・留意点
  • リーダー決定ワーク

②人事評価の目的

③被評価者の不満要素

  • 自社のサーベイ結果、組合からのリクエストの伝達
  • 上記の不満が生じる背景(想定される理由)

④陥りやすい評価エラー

  • 7つの評価エラー傾向解説
  • 評価エラー傾向の自己分析
  • グループワーク「評価エラーの原因探索と対応策の検討」

⑤仮評価による評価基準の擦り合わせ

  • 仮評価人材ピックアップ(職種-等級)
  • 仮評価実施
  • 仮評価一覧表の作成
  • グループワーク「相違度の高い評価項目のブレイクダウン検討」

⑥評価者としての心構え

  • 評価記録の現実的な付け方
  • 部下とのコミュニケーションの平準化 など

⑦クロージング

  • 評価に関わる自身の留意点の言語化
5th 人事評価実施

研修の2カ月後に各自評価実施。

6th 「フィードバック研修」の開催

一次評価者が二次評価者に評価結果を提出した段階で、2回目の「評価フィードバック研修」を同様に3チームに分けて実施。

7th フォローアップ企画の推進

同部門(職種)内で4~5人1組のグループを組成。
評価結果の相違が比較的多い評価項目について、研修時同様に仮評価を行い、評価基準の擦り合わせを評価時期までに各グループで2回程度実施。

プログラム導入効果

  • 研修内で各自の評価エラー傾向を分析し、対策を検討。
    また、同僚と初めて評価基準の擦り合わせを行い、共通認識を持てたことで、研修実施後の直近の人事評価(約2カ月後)においては、二次評価者(部長クラス)から、一次評価者の甘辛減少、及び評価結果の妥当性が向上したとの評価が各部門から人事に報告があった。
  • 具体的には、評価者間において評価のバラつきが大きかった、上位3つの全社(全職種)共通評価項目のバラつきが縮小。
    評価基準の共有化は一定程度なされたものと評価ができた。
  • 評価フィードバック研修を併せて行ったこともあり、フィードバック面談後のアンケート結果において、評価結果の説明内容に関する納得度は全体的に向上した。
    中でも評価できる点は、主要な評価項目において「点数を上げるために、具体的に何ができれば・行えば良いのか?」を質問した際に具体的な案の提示が増えたことが挙げられる。
  • 研修終了後、2回目の人事評価を終えた後のサーベイ結果において、人事評価に関するポイントが全部門において上昇。
    各部門内における評価者間の評価のバラつき度もさらに改善されていた。この点は、研修終了後にも部門内において、小グループで評価基準の擦り合わせを継続実施したことが効いているものと思われる。
  • 組合からも評価者間の甘辛に関する是正は評価された。
    (制度設計の問題もあるものの、部門間での評価点数差を次なる課題としては挙げられている。)

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よくあるご質問 Q&A

Question
「評価者基本研修」の標準的な所要時間はどの程度でしょうか?

評価者研修において、何を、どの程度まで解決していきたいか?目的・ご要望によって時間は変わりますが、弊社の基本テーマ「人事評価の目的」「被評価者の不満要素・対応ポイント」「評価エラー解説~自己分析~対策検討」「評価基準擦り合わせ(甘辛防止)」「適切に人事評価を行うための留意点検討」を盛り込んだ研修を行う場合、多くのケースが1日(6時間~7時間)研修となります。
尚、時間制約がおありの場合は、上記のテーマを絞る、もしくは内容を簡易な形で行い、ご要望に沿った時間での研修提供を行うこととなります。
※研修内容と時間の整合性が取れず、ご支援を辞退させていただくこともあります。

Question
「評価者基本研修」の受講者数はどの程度が妥当なのでしょうか?

一つの判断基準が、グループワーク(①評価エラー傾向の自己分析~対策検討、②評価基準の擦り合わせ)の研修講師の支援度となります。
講師がグループワーク中に、各グループをまわりアドバイス・対話推進を図ることを前提にすれば、1研修あたり20名まで(4~5グループ)が妥当な人数となります。

また、研修は人数が増えれば増えるほどプログラムの進行が遅くなります。
単なる座学(講師からの一方通行の伝達)だけの研修なら別ですが、個人作業が研修では行われます。理由はこの点にあります。
※個人作業・・・弊社の「評価者基本研修」の場合でいえば、「7つの評価エラー傾向の自己分析」など

どうしても研修は、一つの個人作業を全員が一定レベル完成してから次のプログラムに移っていくことになります。具体的には、最も遅い方が作成してからでなければ次のプログラムに入れません。
この点から、人数が多くなればなるほど、かなり作業スピードが遅い人がおられる可能性が増してプログラム進行に時間がかかります。

さらに言えば、個人作業・グループワークを行うにあたり、人数が増えれば増えるほど質問が増えることで進行が遅れます。
これらの点から人数が増えれば、研修テーマの質・量を落としていくこととなります。

Question
リアル開催だけでなく、オンライン開催でも可能でしょうか?

可能です。但し、受講者の移動がないなどの大きなメリットがオンライン開催はある反面、デメリットも生じます。

まず、リアルとは違いオンラインでの開催は受講者の立場で考えれば、丸1日かけて実施するのは集中力の持続の観点で厳しいものがあります。
リアルであれば、1日かけて行う内容を半日2回に分けるなどの対応が求められます。

さらに言えば、オンラインは自由度が高い(EX:携帯電話でメールをチェックしながらでも受講可能)ため、結果的に研修における気付きが相対的に浅くなります。

プログラム進行においてもオンラインは時間がかかります。リアルよりも、個人作業・グループワークの内容指示をより丁寧に、より細かくしなければ伝わりません。
この点で、同じプログラムを実施しようとしても、リアルと比較して時間がどうしてもかかります。

グループワークにおいては、オンライン上の小部屋(Zoomならばブレイクアウト・ルーム)に各グループが入って行われます。
リアルであれば、講師が全グループ(全員)の様子を見て、おかしい状況があれば介入できます。
しかしながら、オンラインは一つの部屋にしかいけませんので、グループワークの進め方において問題があってもタイムリーかつ的確に対応できないケースが出てきます。

これらの点を許容する、もしくは対応策を検討して研修に臨むことが求められます。

Question
「評価者基本研修」のテーマだけでなく、他の評価者が抱える課題(テーマ)と組み合わせて実施することは可能ですか?

もちろん可能です。先にご紹介した導入事例に記したように「評価のフィードバック面談」関する研修を併せて実施する。
また、目標設定評価(目標管理制度)を導入されている場合は「目標設定指導」を織り込んだ内容とする。
場合によっては、人事評価の目的の一つである人材育成を効果的に行うための「部下指導手法」を検討する内容を実施されるケースもあります。

具体的には、評価者の方々の状況、課題認識を伺いながら研修プランをご提示させていただきます。

Question
評価者研修の相談にのってもらうなかで、評価制度の改善が必要になった場合は対応は可能でしょうか?

弊社では、これまで上場企業から中小企業まで1000社を超える人事制度策定のご支援をしております。

貴社の人事評価だけでなく、等級制度、賃金(給与・賞与)制度、退職金制度など人事制度全般のご相談に対応できるものと存じます。
お気軽に制度面も併せてご相談ください。

人事制度関連のサイトは以下となります。

Question
人事評価における被評価者の納得を得るには、上司との関係性に比例する部分があると思われ、単なる評価技術を教える研修だけでは難しいものと感じます。この点のお考えはいかがでしょう?

その通りだと考えます。被評価者が自身に対する評価を受け入れるのは、評価者(上司)に対する信頼と比例するといえます。
信頼関係が築けている場合は、たとえ厳しい評価が下されても被評価者は受け入れ、自身の不足点に焦点が向かい改善を検討します。

この点は、「評価者基本研修」の被評価者に対する不満要素~対応ポイントのテーマにおいて、受講生の方に伝達しますが、評価者にこの点の認識をより深く有していただくために「信頼獲得」の重要性を認識するための研修内容を織り込むことは可能です。

Question
貴社の評価者研修と他社の研修の違いはどのような点にありますか?

主要な要素は3つあります。
1点目は、先にも述べているように弊社は人事制度の策定コンサルティングを1000社以上のお客様に対して行っています。
この点から、人事評価においては習熟した経験知がございます。

2点目は、講師は自社所属である点です。昨今は、研修企画は自社で行うものの研修講師はフリーランスの外部講師に委託するケースが増えています。
弊社は、自社所属の人事制度策定経験者が講師を務めます。

3点目は、カスタムメード対応です。通り一遍の規格が決まった研修を提供するのではなく、人事評価に知見のある講師が、ご要望や貴社状況をお聞かせ願い最適と思われる研修提案を行います。

研修実施までの流れ

  • 1st
    問い合わせフォームより弊社へご連絡
  • 2nd
    弊社担当者より面談依頼のご連絡
  • 3rd
    ①課題認識・研修に関するご要望ヒアリング
    ※可能であれば、人事評価制度に関する資料を拝見させていただきます。
    (必要に応じて、守秘義務契約をこの時点で締結することも可能です)

    ②研修実施の方向性提示
  • 4th
    研修企画書作成(弊社作業)
  • 5th
    企画書説明~質疑応答~ブラッシュアップ対話
    ※必要に応じて修正企画書を作成~ご提示

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