部下育成型評価者研修
PROGRAM
研修の狙い・目的
人事評価を部下育成に活用させ、
部下の評価に対する納得度も引き上げる!
人事評価は、給与・賞与、場合によっては退職金といった経済的報酬、昇進・昇格などの処遇を公平かつ納得性を高めるために行われます。
しかし、別の観点で言えば、人事評価シートは階層別・職種別に求められる成果・行動プロセス・能力開発の方向性が明示されたものです。
上司である評価者にとっては、部下の指導・育成を図るべきポイントが具体的に記載された指針ともいえます。
よって、評価者においては、一人ひとりの部下の状況(スキル・希望・心の姿勢など)に応じて、重点強化すべき評価項目を選定~目標設定を行い、計画的・継続的に指導を行うことが求められます。
本研修では、人事評価は人材育成の有効なツールであることを再確認し、人事評価の仕組みを有効に使いながら指導・育成を図るポイントを確認いただきます。
また、上司(評価者)の評価内容を、仮に低い評価であったとしても部下(被評価者)が受け入れ、指導内容に沿ってモチベーション高く動く状態をつくるためのポイントを伝授します。
研修概要
人事評価の目的&評価者の主要な役割
人事評価の6つの目的を確認し、その中でも果たすべき役割の大きいキャリアデザイン~部下育成、そして動機付けについて確認を行います。
部下育成の基本フロー確認
人事評価における評価者の主要役割である、部下育成の基本フローを上記の図表観点に沿って解説します。
その後、②育成目標の設定において、昇進・報酬に直接リンクする人事評価項目を活用して目標設定することが効果的であることを確認し、実際の部下(被評価者)の育成目標を人事評価項目に沿って設定します。
併せて、目標達成を果たしていくための③課題設定~④各種指導内容を具体的に検討願います。
部下育成を効果的に図るための中核ポイント検討
育成成果を上げるためには、当然、上司(評価者)の指導内容を部下(被評価者)が受け入れて、モチベーション高く推進していくことが必要です。
そのためには、上司(評価者)の立場で考えれば、部下(被評価者)が指導内容を受け入れてくれる影響力を有していることが前提となります。
本フェーズでは、何を行い、どのようなことを磨くことが、部下(被評価者)が自身の指導内容を受け入れ、育成目標に向けた動きを取る状況になるのかを検討いただきます。
部下指導技術の検討
まず以下の5つの部下指導技術に関して、講義・グループワーク・体感ワークなどを通じて具体的なポイントを理解願います。
その後、5つの技術ごとに自身の現状をセルフチェック・シートに基づき分析します。
分析結果をグループ単位で共有した後、相互に指導レベルを向上させるためのアドバイジング・コーチングを実施します。
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① 「叱る」技術
部下の問題認識・言動を改めさせる効果的な叱り方・叱る際の留意点は?
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② 「認める」技術
部下のモチベーション・自己効力感を引き出し、自身との関係性を強化する効果的な承認方法・ポイントとは?
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③ 「考えさせる」技術
自発的に考える姿勢(課題設定・解決方法など)をつくり、効果的なアウトプットを導き出す思考力を付けさせるには?
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④ 「任せる」技術
部下に仕事(業務・判断)を任せるうえで留意すべきポイント・手法は?
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⑤ 「場を創る」技術
部下の視座・スキル・知見が高まる効果的な機会を設定するために、どのようなことを日常的に留意すべきなのか?
評価面談の活用
2ndで確認・検討した部下育成目標のPDCAをスパイラルアップさせ、育成成果を上げるには定期・継続的な面談を行うことが有効です。
もちろん方法はさまざまではありますが、評価フィードバック面談において人事評価項目に沿った育成目標を伝達・対話し、重点的に強化・推進していく評価項目を合意して、課題・対策を練ります。
その後、数カ月単位でフォローアップ面談を行い、課題・対策の進捗状況を確認し、次のステップとして注力すべきことを検討しながら、推進モチベーション向上を図ります。
こうした面談を効果的に進めていくための手法を最終的に確認します。
「部下育成型」評価者研修 導入事例
企業・受講対象者プロフィール
- 業種化学品材料商社
- 社員数200名
- 受講対象者一次評価者 約30名
- 実施形式2チーム分割実施 リアル開催
課題・受講者状況
- 商社という事業形態から多くの社員が営業職。営業課長・部長においても顧客担当を持っている状況であり、さらに言えば有力な顧客を担当するプレイヤーであった。
- 結果、人にはよるものの、総じてプレイヤーとしての営業工数に時間が割かれており、中には90%以上の工数を顧客訪問・対応に割いている管理職もいる状況であった。
- 当然、多くの管理職において部下育成・指導は不充分な状態であり、この状況がさらなる管理職と部下の技量差を広げることに繋がり、管理職でなければ有力な顧客対応は難しくなるという悪循環が生まれていた。
- 管理職ー部下間のコミュニケーションも少なく、支援も不充分な状況であるため、近年は若手社員を中心とした定着面での課題も大きくなってきていた。
プログラム導入概要
以下の手順・概要で「評価フィードバック面談研修」を実施
ステップ | プログラム導入・実施手順 |
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1st | 被評価者(部下)へのインタビュー実施
営業職の被評価者(部下)に、日頃の評価者(上司)とのコミュニケーション状況、及び期待事項をインタビュー。 |
2nd | 評価者(上司)インタビュー実施
部下育成に関する問題意識、具体的な改善方向性についての認識を確認することを目的としたインタビューを実施。 |
3rd | 社長・人事部門へのフィードバック 1st、2ndの状況を整理し、所感も含めて社長・人事担当役員・人事部長・研修担当者に伝達。 |
4th | 研修プログラム設計 上記で確認した評価者の具体的課題を踏まえて研修プログラムを設計。 |
5th | 「部下育成型」評価者研修 開催 2チーム(15名ずつ)に評価者を分割して研修実施。 【前期研修】 ①オリエンテーション
②人事評価6つの目的と管理職の主要役割
③部下育成基本フロー確認
④育成目標の検討
⑤影響力を向上させるために
⑥5つの指導技術
⑦評価面談を活用した部下育成
⑧クロージング 【後期研修】 ①前期研修内容の確認
②評価フィードバック面談レビュー
③評価フォローアップ面談
④クロージング |
6th | 評価フォローアップ面談実施
後期研修終了後から、2カ月に1回継続的に評価フォローアップ面談を全員が実施。 |
プログラム導入効果
- 評価者において、会社の将来には欠かせない取り組み(部下育成)であることの認識が向上。
特に評価フォローアップ面談、その後のグループ単位でのアドバイジング・コーチングは、かなりの負荷を評価者にかけたにも関わらず、概ね前向きに推進された。 - もちろん評価者によって差はあるものの、役員・部長クラスの上位者からの部下育成に関する評価は総じて向上。
※評価者の「部下育成」に関する人事評価項目が向上。 - 当初の主催者側の想定よりも、部下への業務委任(顧客担当・判断業務など)が半年間程度の期間においてかなり進んだ。
- 営業職の育成の基本である同行営業が明らかに増加。結果的にコミュニケーションの質・量が高まることに繋がり、人事部門の非公式的なヒアリングではあるものの概ね上司・部下間の関係性は向上している。
- 副次的な効果として、部下の人事評価結果に対する満足感・納得感が向上した(アンケート結果)。
よくあるご質問 Q&A
評価者の状況、部下育成における課題、課題解決目標などによって変わりますが、最少の時間形態で言えば、半日(4時間)は必要です。
部下育成というテーマの大きい研修ですので、事例企業のように3日間、場合によっては5日間程度のプログラムで実施されるケースもあります。
研修は人数が増えれば増えるほどプログラムの進行が遅れます。
単なる座学(講師からの一方通行の伝達)だけの研修なら別ですが、個人作業、グループやペアによるワークを行います。
どうしても作業が最も遅い個人やグループが完成するのを待ってから次のプログラムに移ることとなります。
この点から、人数が多くなればなるほど一つのプログラムを消化する時間が長くなり、時間を要することになります。
この点から踏まえると、25名程度までに抑えられた方がよいと思われます。
また、プログラム消化の質的担保、受講者の緊張感などを踏まえると、理想的には15名程度にするのがよいでしょう。
可能です。しかしながら他の研修も含めて以下のデメリットは生じます。
オンラインでの開催は受講者の立場で考えれば、1日研修は集中力持続の観点で厳しいものがあります。
リアルであれば1日で行える内容を、2分割して半日2回に分けるなどの対応がいるでしょう。
また、よく語られることですが、オンラインは個人自由度が高い(EX:メール確認など他の作業をしながらでも受講できる)ため、結果的に研修における気付きが浅くなります。
プログラム進行においてもオンラインは時間がかかります。リアルよりも、個人作業・グループワークの説明をより丁寧に、より細かくしなければ伝わりません。(質疑応答含む)
この点で、同じプログラムを実施しようとしても、リアルと比較して時間がどうしても時間を要します。
特に、部下育成のテーマの研修は体験型のワークが多くなります。これはオンラインの場合はより説明が必要となります。
また、実施はオンライン上の小部屋(Zoomならばブレイクアウト・ルーム)を各ペア・グループに割り当てて行います。
リアル研修であれば、一部屋で基本実施していますので講師が全グループ(全員)の様子を見て、おかしい状況があればいつでも介入できます。
しかし、オンラインは一つの部屋にしか講師はいけませんので、おかしなワークの進め方をしていても介入ができません。
こうした点を許容する、もしくは人事スタッフがまわって確認するなどの対応策の事前検討が必要です。
また、「育成目標」は必ず被評価者(部下)と共有しなければならないのでしょうか?
人事評価項目以外の育成目標を設定するのはもちろん問題ありません。
例えば、人事権限が評価者に一般的にある訳ではありませんが、「2年後に役職者に昇進させる」また、「自分が担当している業務を完全委任する」などといった、評価項目にはつながりにくい目標を設定することも実際には必要でしょう。
もう一つの質問である部下との共有の点においても、あくまで評価者のなかでの目標にした方がよいケースも多くあるでしょう。共有するものとしないものを分けて考えていけばよいでしょう。
部下指導技術の面だけをピックアップすれば、評価者研修という枠組みからは外れはしますが当然可能です。
指導技術については、ここまでご紹介した「叱る」「認める」「考えさせる」「任せる」「場を創る」以外の観点でも可能な要素はあります。
例えば、昨今多いのが「1on1」です。半日~1日程度の研修で実施できます。
また、部下育成の基本フローで記載した「部下把握」「育成目標・課題設定・具体策検討」の各フローに関する研修のみの対応も可能です。
具体的な内容はご相談ください。
本研修は、評価フィードバック面談を基軸にして、育成目標達成のためのPDCAスパイラルアップを評価フォローアップ面談で実施するという建付けを基本にしています。
企業事例で紹介したように、評価フィードバック、もしくはフォローアップ面談終了後に、小単位のグループ編成で評価者同士で互いにフィードバックやアドバイスを行う機会を設けられることをお勧めします。
主要な要素は3つあります。
弊社は人事制度の策定コンサルティング、部下育成・指導に関するマネジメント研修を2000社以上のお客様に対して行っています。
この点から、本テーマにおける、さまざまな経験・知見を有しています。
次に講師が自社所属にある点です。営業活動や研修企画は自社で実施するものの、講師はフリーランスの外部講師に委託するケースが多くあります。
弊社では、人事制度策定コンサルティング・管理職研修の経験を有した自社講師が務めます。
最後はカスタムメード対応にあります。規格の決まった研修を提供するのではなく、人事評価や評価面談の実情を理解したの講師が、ご要望や貴社状況をヒアリングして最適な研修提案を行います。
研修実施までの流れ
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1st問い合わせフォームより弊社へご連絡
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2nd弊社担当者より面談依頼のご連絡
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3rd①課題認識・研修に関するご要望ヒアリング
※可能であれば、人事評価制度に関する資料を拝見させていただきます。
(必要に応じて、守秘義務契約をこの時点で締結することも可能です)
②研修実施の方向性提示 -
4th研修企画書作成(弊社作業)
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5th企画書説明~質疑応答~ブラッシュアップ対話
※必要に応じて修正企画書を作成~ご提示
その他の評価者研修
「基本ラインナップ」
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評価者基本研修
- 評価者として部下から信頼を獲得するために
- 評価エラー傾向分析~適正評価対策
- 評価者間の評価基準のすり合わせ(甘辛防止) など
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目標管理研修
- 有効な目標設定を行うために(Good Bad事例分析)
- 部下目標のブラッシュアップ(テーマ・達成基準・KPIなど)
- 目標設定面談の進め方 など
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評価フィードバック面談研修
- フィードバック(1on1形式)面談の目的と進行手順
- フィードバック面談におけるコーチング活用
- フィードバック面談ロールプレイング など
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被評価者研修
- 人事評価を受ける意味
- 評価項目と評価基準の理解を深める
- 各種人事面談(目標設定・フィードバック・中間など)を価値あるものとするために など
お問い合わせ
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なお、出来る限り早急に折り返しご連絡差し上げるように努めておりますが、内容によってはご連絡差し上げるまでに数営業日いただく場合がございますので、あらかじめご了承ください。