中心化傾向
「中心化傾向(中央化傾向)」とは、被評価者の実態やスキル、意欲などにかかわらず、極端な批評を避けて無難な評価に落ち着かせる(中央に集まる)人事エラーの一種です。「5段階評価のうち3ばかりを付ける」「どちらとも言えないや普通であると回答する」などが該当します。
中心化傾向は、評価対象となる人の実態を評価者がしっかりと把握していないときに発生しやすくなります。また、評価対象が多すぎる、評価に対する部下からの批判が怖い、評価者が自分の判断に自信がないといったケースも、中心化傾向が起こる原因です。
中心化傾向が顕著になると、優秀な人材のモチベーション低下や、低評価にすべき人材の過大評価などにつながります。中心化傾向を防ぐには、評価基準の明確化、評価する時間の確保、被評価者の数の調整などを行い、評価者が自信を持って判断を下せる環境を作ることが挙げられるでしょう。
中心化傾向と対となるものとして、評価が極端に偏る極端化傾向があります。