ノーレイティング
「ノーレイティング」とは、A、B、Cといった評価で従業員をランク付け(レイティング)することを廃止した、新しい人事評価制度です。
アメリカの大手企業を中心にノーレイティングによる評価が広まった背景には、「VUCAの時代」と呼ばれる急速かつ不明瞭な社会の変化があります。
ノーレイティングが広まった背景
- 年1回のレイティングやフィードバックだと、短期間で変化する現代のビジネスサイクルに対応できないから
- 近年では生産性や売上などの単純な数値での評価とは異なり、革新的な製品の開発といった数値では測れない部分の評価が必要になってきたから
- ビジネスパーソンの価値観の変化で人材の流動が活発となり、評価内容やフィードバックに納得できない人材の流出が懸念されるようになったから
ノーレイティングで評価する場合、定期的な上司と部下の1on1によるフィードバックやコーチングによって、1年に数回以上評価の場を設けるのが一般的です。
ノーレイティングには、リアルタイムでの評価による部下の納得感や、人材育成の柔軟な対応につながるメリットがあります。
ただし評価者側の負担が大きくなるデメリットがあるので、評価者だけでなく経営陣や人事部門が協力し、ノーレイティング制度の整備や研修実施などに取り組むことが大切です。